【Python】Fast APIとは?使い方や活用シーン、Flaskとの違いまでわかりやすく解説!

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PythonでWebアプリケーション開発やAPI開発を行う際に注目を集めているフレームワークがFastAPIです。

高速かつ現代的な設計で、多くの開発者から支持されています。

この記事ではFastAPIの基本概念から実際の使い方、活用シーン、そしてFlaskとの違いまでをわかりやすく丁寧に解説します。

FastAPIとは?

FastAPIは、PythonでWebサービスを作るための速くて使いやすいライブラリです。

FastAPIの一番の特徴は、Pythonの書き方に沿ってデータの型を指定するだけで、自動的に以下のことをやってくれる点です:

  • 送られてきたデータが正しいかチェックする
  • APIの使い方を説明するページを自動で作成する

FastAPIを使えば、普通のPython関数を書くのとほぼ同じ感覚で、Webサービスが簡単に作れます。

基本的な使い方

まずは、最もシンプルなAPIエンドポイントを作成する基本的なコードを見てみましょう。

下記コードが行っていることは「2つのGETエンドポイントを作る」です。

  • / にアクセスすると「Hello World」を返す
  • /items/{item_id}URLの一部から item_id を、?q=... からクエリ文字列 q を受け取る
この2つのGETエンドポイントを作るために、具体的にコードで指定している内容は下記です。

  • app = FastAPI() で FastAPIアプリケーションのインスタンスを作成
  • @app.get("/") でルートパス("/")にGETエンドポイントを定義
  • @app.get("/items/{item_id}") でパスパラメータ(item_id)とクエリパラメータ(q)を含むエンドポイントを作成
  • read_item(item_id: int, q: str = None): 部分の型ヒント(int, str)によって自動的に型が合っているかのチェックがされる

サーバーを起動するには uvicorn main:app --reload コマンドを使用します。

POSTリクエストの処理

FastAPIでは、クライアントから送られてくるJSONボディを受け取り、型に沿って自動検証(バリデーション)したうえで関数に渡すことができます。

下記コードが行っていることは「POST /items/Item という設計図(Pydanticモデル)どおりにJSONを受け取り、値を返す」ということです。

  • 受け取りたいJSONの形(name, price, is_offer)を Item モデルで定義
  • POST /items/ にJSONを送ると、FastAPIが自動でパース&検証して item: Item に渡す
  • 型が合わなければ 422(Unprocessable Entity)でどこがダメかをJSONで説明して返す
このように:

  • PItem(BaseModel) で「受け取るJSONの設計図」を宣言(各フィールドの型とデフォルト値もここで定義)
  • @app.post("/items/") で POSTエンドポイントを定義
  • create_item(item: Item):引数の型指定によって、リクエストボディは JSON から Item に自動変換される。
  • 型が合わない・必須項目が欠けている場合は 422自動で返却
  • 正常時は Pythonの辞書を返すだけでOK(FastAPIが自動でJSON化してレスポンスにする)

この一連の処理をFastAPIが自動で行ってくれます。

動作確認は /docs(Swagger UI)で「Try it out」を使うか、curl などで JSON を送ると手早く検証できます。

FastAPIで使えるパラメータ指定の例

FastAPIでは、以下のような形式でパラメータを指定できます。

指定方法 書き方の例
パスパラメータ /users/{user_id}
クエリパラメータ def read_items(skip: int = 0, limit: int = 10)
リクエストボディ def create_item(item: Item)
ヘッダー from fastapi import Header
Cookie from fastapi import Cookie

パラメータの型や制約は、Pythonの型ヒントとPydanticで柔軟に設定できます。

FastAPIの便利な機能

FastAPI では URL・クエリ・ボディ・ヘッダー・Cookie など、複数の入力を統一的に受け取れます。

Python の型ヒントを添えるだけで、自動バリデーションとドキュメント生成が有効になります。

よく使う指定方法を以下の表にまとめます。

各パラメータは int/str などの型や、最小値・正規表現などの制約を Pydantic で細かく指定できます。

QueryPathBodyHeaderCookie を使うと、デフォルト値や説明・例も宣言的に記述できます。

ユースケースに応じて組み合わせ、読みやすさと安全性を両立させましょう。

FastAPIを使うときの注意点

型ヒントを正しく使う

FastAPIの恩恵を最大限受けるには、適切な型ヒントが重要です。

型ヒントが不正確だと、期待通りのバリデーションが動作しません。

Pydanticモデルの設計に注意

複雑なデータ構造を扱う場合は、Pydanticモデルを適切に設計する必要があります。

Pydantic とは

Pydantic は Pythonの型ヒント を使って、入力データの検証(バリデーション)と変換(JSON⇄Pythonオブジェクト)を自動で行うライブラリです。

ネストした構造や循環参照がある場合は特に注意が必要です。

FastAPIとFlaskの違い

FastAPIは型ヒントを活用した自動バリデーション非同期処理のサポートなど、現代的な開発体験を重視したAPI向けフレームワークです。

一方、Flaskはシンプルさや柔軟性を重視しており、特に小規模なWebアプリの開発に適しています。

以下に、それぞれの特徴を簡潔に比較した表を示します。

観点 FastAPI Flask
自動バリデーション 型ヒントによってPydanticベースで自動 手動でバリデーション実装が必要
ドキュメント生成 Swagger/OpenAPIが自動で生成される 拡張ライブラリが必要(Flask-RESTXなど)
非同期処理 async def をネイティブサポート 基本は同期処理(非同期は別途工夫)
パフォーマンス Starletteベースで高速・軽量 同時アクセスにやや弱い
学習コスト 型やPydanticの理解が必要 非常にシンプルで学びやすい
拡張性 設計が整っており拡張しやすい エクステンションが豊富で自由度が高い
向いている用途 API中心、機械学習バックエンド、高性能が必要な場面 管理画面、小規模Webアプリ、HTMLレンダリング

どちらも優れた選択肢ですが、APIの品質やスケーラビリティを重視するならFastAPIとにかく素早く動くものを作りたいならFlaskが向いています。

FastAPIの活用シーン

FastAPIは以下のような場面で特に威力を発揮します

  • REST API開発: マイクロサービスアーキテクチャでのAPI構築に最適
  • 機械学習API: モデルの推論結果を提供するAPIサービス
  • データ処理API: 大量データの処理や変換を行うバックエンドサービス
  • リアルタイム通信: WebSocketを使ったリアルタイムアプリケーション

型安全性と高パフォーマンスが求められるプロジェクトでは、FastAPIが第一選択肢となることが多いです。

まとめ

今回はPythonのWebフレームワークFastAPIについて紹介しました。

  • FastAPIは型ヒントを活用した高速で現代的なWebフレームワーク
  • 自動バリデーション、ドキュメント生成など多くの機能が標準搭載
  • Pydanticモデルでデータ構造を定義し、型安全なAPI開発が可能
  • 型ヒントの活用とPydanticモデルの適切な設計が重要
  • FlaskよりもAPI開発に特化し、高パフォーマンスを実現

FastAPIをマスターすれば、効率的で保守性の高いWebAPIを開発できるようになります。

現代的なPython Web開発の主流となりつつあるFastAPIを、ぜひ積極的に活用していきましょう。

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